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Newsletter :: Issue No. 37
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2005年 6月号          アーカイブ
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「翻訳 トーク」  2005 年6月号のごあいさつ

今月は、いろいろと変化に富む月で、皆様にお伝えしたいことも( Good News も Bad News も含めて)山ほどあったのですが、紙面が許す範囲の関係ということで、とっておきの Good News に絞って書いてみることにいたします。

( Bad News は、皆様方もお聞きになりたくはないとは思いますが、あえてひとつだけ述べさせていただければ、今月予定していた日本訪問が突如行く前日になってドタキャンになったことでありまして、私はいまだ忸怩たる気持ちを引きずっております。)

さて、地元でありますオレゴン州ポートランド市に、“ Portland Business Journal ”という週間でビジネス新聞を発行しているニュース会社があります。その新聞社が毎年主催をしております“ Top 100 Fastest-Growing Private Companies in Oregon ”というオレゴン州に本社を持つ、年間売上高が$ 250,000 以上ある非公開企業(個人オーナー企業)を対象にした、ちょうどオレゴン州ビジネス界のアカデミー賞みたいな授賞式が今月 16 日にポートランド市のウエストヒルにあるオレゴン動物園の式典会場で開催されました。

弊社は、今回なんとこのトップ 100 企業の中に選ばれまして、過去 3 年間( 2002 − 2004 年)の売上高成長率が 50.28% を記録し、 100 企業中、第 88 位にランキングされたのです。もちろん、この賞を受賞するにあたって、厳密な事前審査が行われ、この 16 日の授賞式参加の招待状が弊社に先月末ごろ突然舞い込んできました。

ちょうど私は、その前の日から、カリフォルニア州パサディナ市で開かれた第 3 回目の翻訳会社の業界団体である ALC ( Association of Language Companies : www.alcus.org )年次総会出席のために LA まで出張することがすでに決まっておりましたので、私は残念ながら、この栄えある授賞式には出席することが出来ませんでした。そこで、私の代わりに弊社の取締役副社長であり、私の妻である Eileen 、そして営業マネージャーの Meegan Thye-Walker の 2 人に出席してもらうことにいたしました。

授賞式は、ジャズバンドが奏でるボリュームたっぷりの生演奏とともに開始され、賞に選ばれた 100 社の代表者が次から次に壇上に駆け上がり、ちょうど学校の卒業証書を受け取るように順位の入った記念の置物をもらい受けたということです。

今年のトップ 100 企業の特徴としては、何といっても成長率がきわめて高く、 100 位にランクされた企業でも成長率が 42% もありました。これは、 2001 年 9 月 11 日以降では最大の伸びであったということで、オレゴン州にある非公開企業の順調な業績回復と発展振りとを如実に物語っているものと申せましょう。

来年もこの授賞式に弊社が出席することが出来るように、願わくば、今年の順位よりもさらに上の順位に行くことが出来るようにとも思いますが、今後とも確実に成長をし続けることが何といっても弊社にとっての第1プライオリティであるものと考えております。結果や順位というものはあとを追ってついてきてくれるものではないかということを信じて、弊社の全スタッフの持っているベクトルをいっそうひとつに引き合わせて、さらなるレベルに向けてチームとしてクライアントの皆様方に貢献をしてまいりたいと存じます。

今後とも引き続きまして、皆様方からの暖かいご指導、ご鞭撻のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。

Ken Sakai

President

kenfsakai@pacificdreams.org

4 月 1 日から Pacific Dreams, Inc. の住所 ならびに電話番号・ FAX 番号が下記の通り、変更となりました。

Pacific Dreams, Inc.
25260 SW, Parkway Avenue, Suite D
Wilsonville, OR 97070, USA
TEL : 503-783-1390 FAX : 503-783-1391

 


 




Ken Sakai
Pacific Dreams, Inc.
President

 


翻訳事始め − 第 38 回「第 3 回 ALC 年次総会参加報告」

ちょうど 2 年前の 2003 年 6 月に地元でありますオレゴン州ポートランド市のダウンタウンにあります Embassy Suite Hotel で第 1 回の ALC Annual Conference が開かれ、その参加報告をこの翻訳事始めでやはり 2 年ほど前に皆様にご紹介をいたしましたが、2年ぶりに第 3 回 ALC Annual Conference に参加するため、ローズボウルやローズパレードで有名な LA 郊外にありますカリフォルニア州パサディナ市を先週訪問してまいりました。

まず ALC についてなのですが、“ Association of Language Companies ”( www.alcus.org )の略称で、端的に申し上げれば、翻訳会社の業界団体であります。毎年 6 月中旬に年 1 回の総会が開かれ、第 1 回がポートランド、昨年の第 2 回がワシントン DC (昨年は、日本への出張があり、私は不参加)、そして今年のパサディナ、さらに来年は、ウィスコンシン州ミルウォーキーで開かれることがすでに決まっています。

現在の ALC 会員メンバー企業数は約 90 社で、このパサディナでの総会期間中、 ALC メンバーシップ委員会からの熱心な勧誘もあって、弊社もとうとう ALC のメンバーになることを決めました。第 1 回の総会でメンバーになることに躊躇したのは、当時 ALC の組織自体が生まれたばかりで、ヨチヨチ歩きのような段階であったので、どのような業界団体として発展していくのか、私としてもまだ見極めがつかなかったために、メンバーになることを見送っていましたが、今回、総会の運営自体の進歩やメンバーの充実ぶりなどを見て、自信を持ってメンバーになることを決めた次第です。

第 3 回目の総会の統一テーマは、“ Strategies for Growth ”。 冒頭のご挨拶のところで書かせていただきましたように、過去 3 年間で 50% の成長率を記録した弊社にとりましては、まさに水を得た魚のようなテーマでもあり、今年の総会には、万難を排して出席しようと考えておりました。総会には、約 120 名ほどの出席者があり、私が参加した第 1 回のときの 54 名から比べますと倍以上の出席者数となり、海外からもヨーロッパ(イギリス、アイルランド、オランダ、ドイツ、イタリア、スペイン、フィンランド、チェコ)そしてシンガポールやニュージーランドからの参加者が遠路はるばる、この活力みなぎるパサディナの街に結集いたしました。

思うに、アメリカでは、各産業、特に各サービス業界には、このような業界団体( Trade Association )がいったいどのくらいの数があるのだろうかとふと考えさせられました。おそらく、 ALC のように設立されてから、まだほんの数年という業界団体もきっと数多くあるに違いないと推測されますし、毎年、このような業界団体が新しく生まれ、業界団体数は今後とも間違いなく増えつづけていくのではないかと思われます。

そのような業界団体が年に 1 回開きます年次総会( Annual Conference )は、会員相互の交流とネットワーキングを推進し、その業界が抱えている特有の問題点に対する懸念の喚起と解決に向けての認識の一致をはかり、業界全体のレベルアップと世間一般に対しての啓蒙とを主目的にしているものと言うことが出来るかと存じます。また、業界に製品やサービスを提供しているベンダーやコンサルタント会社などにとっては、ビジネス獲得の効率的な機会到来のチャンスであり、ブースの出展や総会のスポンサーなどになって、会社の名前を広く知らしめたり、製品の特別プレゼンテーションの時間を設けて、新製品のデモなどを披露したりして、余念なく PR に努めることが出来ます。

それでは翻訳会社業界における特有の問題点というのは、何なのでしょうか。 IT を中心とした進化を極めるテクノロジーの問題、(中国やインドなどへの)アウトソーシングの問題、人材採用や人材育成の問題、財務管理上の問題などなど、ほぼどこの業界にでもついてまわる基本的な問題が大半であるような気がいたしました。ただ、翻訳会社の場合、 10 人以下の典型的なスモールビジネスの形態をとっているところがほとんどなものですから、会社経営そのものは、個人オーナーによる非公開企業でありますので、驚くような成長や急激な規模の拡大には、おのずと限界がついてまわります。

ところが、今年の総会での目玉のひとつといってよいのではないかと思ったことですが、翻訳会社の M & A (企業の買収と合併)に関するパネル・ディスカッションがプログラムに設けられました。参加者の中には、どうもこのパネル・ディスカッションだけをお目当てにお越しになっていた方々もいらしたようで、さまざまな質問が飛び交わされ、熱い議論が至るところで展開しておりました。このような光景を実際に眼にして、アメリカの翻訳業界もいよいよ M&A の洗礼を受ける時代へと突入したのだなという実感を得ました。(実のところ、弊社もある翻訳会社から会社を売らないかとの打診を総会期間中に受けました!)

2 年ぶりに参加したこの総会では、前回ポートランドでお会いした多くの翻訳会社オーナーの方々、ならびに今回初めてお会いした方々と打ち解けた雰囲気の中でのすばらしい時間を過ごすことが出来ました。最後に行われた“ Gala Dinner ”(正装したディナーパーティ)もパサディナ美術館の屋上でジャズバンドの生演奏とリッチな食事にカクテルやワインを交えて、大変にメンバー同士で盛り上がり、“ Memorable ”(忘れられない)なひとときとして、 4 日間の最後が締めくられたのでした。

Ken Sakai
President
E-mail: KenFSakai@pacificdreams.org

 
   

ALC 年次総会に出席した日本人は私だけ

「翻訳事始め」で ALC の年次総会につきまして、報告させていただきましたが、前回 2 年前に参加した総会でもそうでしたが、日本人として出席したのは私だけでした。アジア人としては、シンガポールにある翻訳会社の方が 2 名、そして LA にある韓国人の方が経営している翻訳会社社長が 1 名、カナダのトロントにある翻訳会社を経営している中国人の女性が 1 名そして私の5名だけでした。

今後、アジアが急速に経済ならびに人口成長していくことが確実視されている中では、なんともお寒い状況ではなかったかと思います。その点、今回はヨーロッパからの参加者が多く、 EU の加盟国拡大などで、言語における相互交流もいっそう盛んなることを反映しているのか、ヨーロッパ勢の元気な姿がとても印象的でした。

日本人は私しか参加しておりませんでしたので、日本人だけで群れることは出来ず、かといって、アジア人同士だけでかたまるというわけでもありませんでしたので、今回は、その意味でかなり自分自身の持っている社交性と積極性とが試されたような思いがしました。

アメリカに長く住んでいるからといっても、日本人はどうも社交性が次第に長けてくるということは、周りにいらっしゃる日本人の方々を見ていて失礼なようですが、そういうことはないように思います。仕事の中で、ミーティング中に話をする場合には、基本的にお互いが「仕事」という基本軸を共有することになりますので、英語で話をするのは必然的であり、話すべきことも大体決まったことで、話の展開はある程度自らコントロールすることが出来ます。

ところが、ディナーパーティなどの席上で偶然にも隣り合った方々同士の話などではいったい何を話題にしてその場を切り出してみたらよいものなのか、日本人としてはかなり気もそぞろな状態になってしまうのは皆様ご経験おありのことではないかとお察しするところです。そして日本人のほとんどは、仕事を離れたところでの、英語では“ Small Talk ”と呼ばれる世間話をましてや英語でそれを話さなければならないというのは、想像しただけでもけっこう苦痛な状況に至るわけです。

今回は、日本人が周りに一切いないという状況下で私としては、振り返ってみますと逆にリラックスしていたようでした。特に自分自身をさらけ出すことに徹して、出来るだけ仕事とは関係のないところでの自分の家族の話であるとか、今まで経験できた思い出や出来事などについて、アルコールの力も借りながら、それなりに感情を込めて話をしてみましたところ、私の日本人英語でも十分相手の方々に伝わることが出来ました。

日本人はこんなことを話したら、相手に変な目で見られるのではないかといった先入観がまずは頭の中で働いてしまい、口ごもってしまうわけです。ところが、こちら欧米社会ではパーティや会議の席上で沈黙すること自体を大変嫌うカルチャーがありますので、いつも口ごもってしまう日本人には、まさにこのような場面に遭遇したら一遇千来のチャンスなのですが、やはりタイミングをいつも逸してしまい、思うようには口から言葉が吐いてはきません。

日頃から何を話題にして話をしたらよいのか考えてみるということでもないのですが、その場限りの作り話をするわけにもいかないわけですから、お仕事以外でのご自分の体験や思い出に残っている映画の話などをうまく整理し活用して、勇気をもって自分をさらけ出すトレーニングの場であると想像してこのようなパーティで初めてお会いした人々へチャレンジされてみることをお勧めします。いつまでも「ヨコ飯はちょっと」と言っていたのでは、進歩はまったくありません。皆様、日本人としてのご自身の考え方やご意見をもっと外にさらけ出してみようではありませんか。

今回のディナーパーティでの立ち振る舞いは、私としてはかなり成功した方ではないかと考えています。このような何でもないちょっとした成功体験が、結局は異文化の中でビジネスを続け、会社経営をしていく中におきましては、単純かもしれませんが、かけがえのない自信につながっていくように感じています。

 

 



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