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Newsletter : Issue No. 50

       翻訳トーク
2006年7月号  アーカイブ
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「翻訳トーク」 2006年7月号のごあいさつ

毎年 7 月中旬近くになりますと、きまって私は霧と坂とケーブルカーの街でありますサンフランシスコを出張で訪れます。それは、セミコンウエストという SEMI (国際半導体装置材料協会)主催の世界最大の半導体製造装置および半導体プロセス材料の国際見本展示会がサンフランシスコのダウンタウンにありますモスコーニ・センターで毎年この時期に開かれるためです。このセミコンウエストには、もうすでに 10 数年欠かさず私は、毎年出かけています。今年のセミコンウエストは、 7/11 (火)から 7/13 (木)までの 3 日間行われます。

セミコンウエストにまいりますと、その年における世界の半導体産業全般におけるビジネスの趨勢をある程度見通すことが出来るものです。セミコンに来場される訪問者数や出展ブース数、製品やテクノロジーに関するプレゼンやデモンストレーション、さらに参加者皆さんの目の輝きなどで、世の中の半導体業界の全般的な動向を過去の経験や経緯からそれなりに正確に予測することができるものなのです。浮き沈みの激しい半導体産業での展示会は、年々派手さが失われ、より堅実的で実務的なショーの色彩が強くなっているように感じておりますが、それでも今年のセミコンは、どのような様相を呈するものかを観察するのを楽しみにしています。

私個人といたしましては、懐かしい方々の顔や以前とてもお世話になった方々とも久し振りでセミコン会場にてお会いできますことも毎年の大きな楽しみであります。今年のセミコンでも多くの方々にサンフランシスコ滞在中にお会いしたいと考えております。私は、 7 月 10 日(月)の夕方の便でポートランドからサンフランシスコに向かいまして、 7 月 13 日(木)の夜の便で思い出のサンフランシスコを後にします。この間で、セミコンにおいでの方がいらっしゃいましたら、どうぞ私の携帯電話までご連絡ください。私の携帯番号は、 503-910-3506 です。

サンフランシスコの街は、夏でも、朝晩は霧がでて、特に夕方から風がとても冷たいときがありますので、夏服だけでは肌寒い感じがすると思います。ですから、セーターや暖か目のジャケットのご持参をお薦めします。サンフランシスコで、半袖シャツに短パンで寒そうに体を縮めながら歩いているのは、みな観光客の方で、地元サンフランシスコの方々は、夏でも革ジャンを着込んで通勤したりしています。そうかと思いますと、すばらしい快晴の天候に恵まれ、乾燥したすがすがしい夏型の西海岸気候を満喫できる年もあります。インターネットでサンフランシスコの天気予報を事前にチェックしておくとよいですね。セミコンで体験しましたことは、また来月号の「翻訳トーク」で、必ず皆様方にご報告させていただきたいと存じます。それでは、「翻訳トーク」ご愛読者の皆様の中で、セミコンウエストにいらっしゃいます方々がいることを期して、サンフランシスコでまた再会できますことを心より楽しみにしております。

Ken Sakai
President
kenfsakai@pacificdreams.org

Pacific Dreams, Inc.
25260 SW, Parkway Avenue, Suite D
Wilsonville, OR 97070, USA
TEL : 503-783-1390
FAX : 503-783-1391

 

 


Ken Sakai
Pacific Dreams, Inc.
President


翻訳事始め − 第 50 回「ウエブサイト英語化へのご提案」

先月号の翻訳事始めでは、英語化されたウエブサイトのほとんどは、単に英語に翻訳を施しただけのサイトとなっていて、実際に海外の人々が見る際には、必ずしも親切な内容にはなっていないということを書かせていただきました。今月号では、その続きといたしまして、どうしたら英語化したウエブサイトが、海外の顧客や市場に対して、親切で、より効果的なメッセージを伝えることが出来るような内容とすることができるのかという点につきましてお話してみたいと思います。そうすることによって、ウエブサイトの英語化が単なるコストの支払いだけで終わるのではく、有効な投資となることが出来るようなヒントやアイデアを盛り込めたらと願っています。

本来ウエブサイトが持つ性格として、いろいろな要素がありましょうが、第一義として言えることは、やはり PR としての要素、あるいは、マーケティングやセールスとしての効果を持つものとしての定義付けであるように思われますが、この考え方に異論はあまりないでしょう。ですから、英語化されたウエブサイトのページも同じように、このような定義付けに当然合致していることが要求されるわけです。しかしながら、日本語サイトを直訳された英語サイトでは、残念ながらそのような PR やマーケティングとしてのサイトが持つ従来の訴求力を十分に発揮しているとは言い難い状況に陥っているのが現実ではないでしょうか。

現在行われているウエブサイトの英語化プロセスの 99% は、日本語サイトを翻訳する(「直訳」するといっても過言ではないと思いますが)プロセスだということを先月号でも申し上げました。このプロセスを繰り返している限りにおきましては、海外の顧客や市場に対して十分な訴求力を持つ英語サイト構築の実現は、きわめて多難な道のりではないかと申せます。私の提案といたしましては、まずは日本語でよいですので、海外向けのウエブサイトに載せるメッセージを新たに書き起こし、あたかもまったく新しいウエブサイトを作成するような意気込みで、英語サイト構築の第一歩をまずは踏み出してみるということであります。

先にも書きましたように、ウエブサイトが持つ性格は、 PR やマーケティングの目的にありますので、マーケティングの基本中の基本であります、「マーケティングの対象は誰なのか」というところに収斂してくるわけです。日本語で作られた日本語サイトの対象者は、当然ながら日本人です。それでは、英語サイトは、海外の英語圏に住む人々を中心とした広範囲にわたる対象者となりますが、それでも、企業の海外営業展開の方針として、仮にアメリカ市場に最も営業資源を集中するということでありましたのなら、アメリカ人を対象とした英語サイトを英語で構築するのが最も理にかなった方策であるといえましょう。

アメリカ市場あるいは、アメリカ人を対象にターゲットを絞るということが全社的に決まれば、あとは、アメリカ向けの紹介文や宣伝文句、製品やサービスを選択してウエブサイトの枠組みを決めていきます。推薦できるアイデアとして申し上げてみたいことは、ここで日本語のウエブサイトと同じウエブサイトアドレス( URL )を使うのではなく、あえて英語だけの専用 URL をこの際一気に立ち上げてみるということです。そうすることによって、日本語のサイトには直接的な影響を受けない、独自の英語サイトを構築できるチャンスが生まれてまいります。サイトのデザイン自体も日本語のものとはまったく変えて再構築してみるのもよいことではないかと思います。

英語サイトを独自でつくるのであれば、いっそう思い切ってアメリカにあるウエブデザイン会社を採用し、新しい URL やドメインネームもアメリカで取得し、サイトの運営ならびに更新やメンテナンスなどをアメリカでやってみるということもご提案の中にオプションとして付け加えておきたいと思います。英語サイトをアメリカで作るということになれば、さらに日本語サイトから受ける影響は少なくなりますし、アメリカ人の持っている嗜好やカルチャーも新しいサイトの中に十分織り込むことができます。そしてサイトのデザインや色使い、機能などを斬新にアレンジし直すことが可能になります。(ちなみに弊社 Pacific Dreams, Inc. では、優秀なデザイン関係のスタッフが社内におりますので、そのような対応やサービスを日本のお客様にご提供することが出来ますので、いつでもお気軽にご相談ください。)

それでは英語サイトに掲載する本文の内容はどのように考えてみたらよいのでしょうか。これは別途、新しく日本語の文章から創造すること最初のステップが始まるということを書きました。次に来るステップとしてこの新しく作成した日本語の文章を英語化する必要がありますが、ここでご提唱したいのが、 VATE (Value Add Trans-cultural Editing) という新しいコンセプトです。このコンセプトは、日本の著名な国際異文化経営支援コンサルタントであります、冨永信太郎先生がご提唱されているものです。冨永先生が今年の 4 月に日本からわざわざ弊社をご訪問してくださいました際に、社員全員で冨永先生からじきじきにこの VATE の講義を直接お聴きいたしました。正直申し上げまして、当初は、翻訳と VATE との間での明確な区別がはっきり認識できなかったのですが、ウエブサイト英語化についてのこの記事を書き進むにつれて、まさにウエブサイト英語化に必要なのがこの VATE のプロセスであるということが私たちスタッフの中で明確に認識できるようになりました。

私が解釈し、特にこのウエブサイト英語化で必要なプロセスは、 VATE の E でありますところの Editing のプロセスであります。アメリカ人にターゲットを絞って書かれた日本語の文章を英語に翻訳しただけではやはり、とても十分とはいえないのです。翻訳が終わった後に行われる VATE 、つまり、 Editing が英語化されたウエブサイトに命を与えて、 PR 効果の高い訴求力のあるサイトにしてくれるのです。 VATE についてご説明できる紙面がもう残念ながら今回は残っておりませんので、また来月号の翻訳事始めで、この VATE につきましては、そのコンセプトをはじめ、詳しいプロセスなどについてご紹介をさせていただきたいと思います。

Ken Sakai
President
E-mail: KenFSakai@pacificdreams.org

 
 
 

ビッグアイランド(ハワイ島)での家族休暇

先月号の翻訳事始めで、教会で行われた妻の両親の金婚式お祝いについてその模様をお伝えいたしましたが、いよいよ 6 月 24 日(土)から丸 1 週間、ハワイのハワイ島、通称ビッグアイランドにあるバケーション・ハウスに妻の両親と妻の兄弟姉妹とその子供たち総勢 18 名で行ってまいりました。ポートランドからハワイアン航空で片道約 6 時間の空路でホノルルに到着、ホノルルでビッグアイランドのコナ( Kona )行きの飛行機に乗り換え、 30 分あまりで到着。ビッグアイランドはまさに名前にある通りでハワイにある島の中では、最も面積の大きな島なのですが、ホノルルのあるオアフ島とはまったく趣が異なり、島のほとんどが火山の溶岩流跡の溶岩台地でできていて、どちらかというとあまり人間が住むには適していない自然環境にあります。

今回のハワイへの行きと帰りの飛行機で知ったことなのですが、祖父母や孫までも入れた家族全員(英語では、“ Extended Family ”といいます)がハワイのようなパラダイスにそろってバケーションに行くというのは、どうもポピュラーなことのようでありまして、私たちのように総勢 18 名前後というグループがいくつも他に存在することが目に留まりました。それでも恐らくは、毎年恒例の家族バケーション旅行というわけではなく、私たちのように両親の金婚式の記念家族旅行であったり、自分の娘や息子の結婚式がハワイであったり、やはりそのような極めて特別なイベントや一生のお祝いに限られているような気がいたします。それは、家族全員の予定を合わせるのは、大変なことですので、それなりの大義名分がなければ難しいことでしょうし、また、よほど裕福な家族でない限り、毎年このような大掛かりなバケーションを敢行できるだけの経済的余裕があるわけではありません。(ハワイに行くというのは、多くのアメリカ人にとってはドリーム・バケーションというイメージが今でも強いのです。その度合いとしては、日本の方の抱くハワイのイメージとほぼ同等であるといえるかもしれません。)

ビッグアイランドでの休暇中の特筆すべきハイライトは、ヒラウエア火山国立公園を 1 日がかり(朝 7 時過ぎに車で出て、戻ったのは夜の 9 時過ぎでした)で訪れたときでした。活火山の噴火口付近まで車で行け、今でも湯煙の立つカルデラ状の噴火口全体をこれほど間近で見渡すことができるというのは、世界的にもあまり例がないそうです。ハワイ諸島自体がおよそ 8,000 万年前に海底から吹き上げられたマントルによって隆起してできたということでありますから、ハワイと火山とは、切っても切れない関係が未来永劫に続きます。噴火によって流出した溶岩流の量は、天文学的な量で、溶岩に含まれる化学成分や温度そしてガスの状態などによって形状もさまざまで、私の妻は、膨大な溶岩流でできた茫漠たる溶岩台地を見回して、ダークチョコレートとブラウニーが急に食べたくなったというありさまでした。(確かに色と形状が酷似しています。)

アメリカの国立公園は、本当に管理が行き届いていて、火山測定のために立てた立派なミューズィーアムとビジターズ・センター、さらにアート・センターとがあり、測定結果や研究報告をまさに PR 、つまり Public Relations という見地からきわめて有効に訪れる人にアピールしています。さすがは、世界で最初に国立公園というものを始めた国(ちなみに世界で最初の国立公園は、イエローストーンでした)であることの面目躍如たる証を何度も感じました。しかも、国立公園に入るのにかかる費用は、車 1 台につき $10.00 だけで、ビジターズ・センターで見るビデオもミューズィーアムに入るコストもすべて無料でした。

キラウエア火山ともうひとつの火山(ただしこちらは死火山)のマウナキア山の頂上には、ハワイ国立天文台があり、世界最大径のレンズのついた光学望遠鏡を用いて宇宙で起こった深遠なる現象を追跡しています。ハワイ島には、夜のネオンとなるような光源を持つことは、州の法律で厳しく規制されていて、またハイウエイに使われているライトも黄色い色をした特殊な光源で、やはり、星空を観測するときに受ける影響を最小限にしているということでした。そのため、ハワイ島で見える星の数というのは、想像を絶するような数の星(まさに「星の数」ほどという表現の意味するところがよく理解できました)でありまして、夜の漆黒の闇もまた他の地ではとても味わえないような神秘的なものを覚えました。ハワイ島の夜空を見上げれば、そこには、天然のプラネタリウムがすぐ頭上にあるという表現で少しはご理解いただけるでしょうか。

ハワイのバケーションに行かれる方には、ホノルルのあるオアフ島だけではなく、大自然がほとんど何も手つかずで残っているこのビッグアイランドでありますハワイ島にまでぜひとも足を伸ばしてみていただけますことをお薦めします。そのかわり、大きなリゾート地はありませんし、大規模な開発自体もほとんどないようでありますが、多分、最もハワイらしい本来のハワイの姿が今でも至るところに残っている、他ではきっと味わうことのできない貴重なご体験をしていただけるように思います。ハワイ滞在中にハワイ語も少し習得できました。ということで、今月号も最後までお付き合いいただきまして、 Mahalo! (ハワイ語で“有難う”の意味)でございました。



 

<日系企業で働く皆様(日本人向け & アメリカ人向け)のための>
「最新“異文化経営技術”セミナー」のご紹介

9 月中旬に 3 日間かけてシリーズとして行いますセミナーのスケジュールが決定いたしましたので、一足早く皆様に下記の通り、日系企業で働く皆様(日本人向け & アメリカ人向け)のための「最新“異文化経営技術”セミナー」のご紹介をさせていただきます。

今回の弊社主催セミナーは、著名な先生方を内外からお呼びし、それぞれのテーマに基づいて体系立てた異文化経営技術セミナーのシリーズとなりますので、弊社にとりましても今までになく大きなイベントであります。しかも、日本人社員向けセミナーとアメリカ人社員向けセミナーの 2 つを日本語と英語とによってそれぞれ同時開催いたしますので、皆様の企業から日本人の方々とアメリカ人の方々両名様にご参加していただくことができます。

「最新“異文化経営技術”セミナー」のご紹介

9 月 13 日(水)

1:00 PM 〜 5:00 PM :「契約書の基礎知識と契約交渉の基本」 by 冨永信太郎 先生(国際異文化経営支援コンサルタント) at Pacific Dreams, Inc. Conference Room

9 月 14 日(木)

8:30 AM 〜 5:00 PM :「米国における経営管理術とコミュニケーション術」 by 冨永信太郎 先生 at Holiday Inn Wilsonville Conference Center (www.holidayinnwilsonville.com)

8:30 AM 〜 12:00 PM :“ Building Brides Between the USA and Japan ” by アイリーン酒井 at Pacific Dreams, Inc. Conference Room

1:30 PM 〜 5:00 PM :“ Building Brides Between the USA and Japan ” by アイリーン酒井

at Pacific Dreams, Inc. Conference Room

9 月 15 日(金)

8:30 AM 〜 5:00 PM :「 米国における雇用労働法と訴訟ケーススタディ 」 by ターシャ萬(よろず)先生(萬法律事務所・カリフォルニア州 & オレゴン州資格弁護士)

at Pacific Dreams, Inc. Conference Room

8:30 AM 〜 5:00 PM :“ Cross-cultural Communication and Negotiation with Japanese Business People ” by 冨永信太郎 先生 at Holiday Inn Wilsonville Conference Center

これらのセミナーの申し込みは、弊社のウエブサイトからオンライン上でお申し込みすることが出来ます。( http://www.pacificdreams.org/seminars.html からお申し込みください。)皆様方のセミナーご参加を講師の先生をはじめとして、今から大変楽しみにしております。


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来月号の翻訳トークもどうぞお楽しみに!