アメリカでのバーチャルオフィス・バーチャルカンパニー
皆様は、バーチャルオフィス、あるいはバーチャルカンパニーというような言葉をお聞きになったことがおありでしょうか。日本語のペーパーカンパニーともやや異なる意味合いがあります。実は、1990年代後半にアメリカで始まった企業形態でありまして、重要な機能のほとんどをアウトソーシングしているのが大きな特徴です。例えば、半導体業界では、ファブレスという言葉があります。ファブレス、つまり半導体を製造する工場は自社では持たず、社内では半導体デバイスの回路設計と製品のマーケティングやアプリケーションサポートをするのがコア業務になっていて、実際の半導体デバイスの製造は外部(海外)の製造委託先(半導体業界では、ファンドリーと呼んでいます)にすべて委ねています。このようなファブレスの形態が半導体製造の約20%まで現在では占めるまでになってきています。
翻訳会社や広告代理店なども似たような企業形態をこのバーチャルカンパニーとして追従し、かつ進化させてきています。実際に正社
員として働く人数は、ごく少人数で、多くのコア業務は、社外にいる独立したフリーランサーに発注して仕事を請け負ってもらっています。また、プロジェクトマネージャーと称するコア社員も実際には、自宅のホームオフィスで働いていて、ロケーションもアメリカ全土に散らばっている、あるいは海外までにも散在している場合さえがあります。しかも、プロジェクトマネージャーという肩書きがあっても、正社員ではなく、コントラクター、つまり個人業者として仕事を請けているという場合も数多く散見されるのです。
このバーチャルオフィスあるいはバーチャルカンパニーの持つ強みは、組織の柔軟性にあるかといえます。このような企業形態をとることによって、小さな企業であっても、大企業を相手にしても互角に競争していくことができます。それは、仕事を請け負ってもらっている外部のフリーランサーやコントラクターを社員、非社員の別なく、会社の重要な戦力としてとらえることによって、大きなプロジェクトもこなしていくことが可能であるからです。
実は、このバーチャルオフィス・バーチャルカンパニーのビジネスコンセプトは、アメリカ企業の持つ強さの源泉のひとつであるかもしれないと最近感じるようになりました。契約社会でドライな人間関係と企業文化を持つアメリカにおいては、これは日本企業にとっても一考に値するビジネスの切り口になるのではないかと考えます。
この広大なアメリカの地におきまして、営業やマーケティングを大々的に仕掛けていくことはグローバル展開をすでに成し遂げている超一流企業様であれば話はまったく別ですが、コストも人的資源も膨大なスケールでつぎ込まなければならないため、多くの中小企業様や仮に大手一流企業様でありましても、新しく立ち上げた事業部様ではとうてい出来ないお話となってしまいます。そのようなジレンマを私自身も今までに何度もこちらで感じておりましたので、いかにして効率的にそして効果的に日本にいらっしゃいます企業の皆様方に営業やマーケティング、そしてカスタマーサポートなどの面で、実際のお役に立つことができるかを長年のテーマとして、腐
心しながら深く考えてまいりました。
私がここでご提唱させていただきますものは、まさに「バーチャルオフィス構想」と呼べるご提案です。もし皆様がアメリカに1社でも客先があって、その客先とは主にEメールとFAXで発注などがなされているとします。しかしながら、当然のことではありますが、日米間の時差があって、お互いすぐに話したいときに電話で話をするのが難しいことがあります。また、緊急時や他の新規顧客を紹介したいようなときにも、いちいち日本まで連絡をしなければならないというのは、アメリカにいる顧客の多くにとりましては、けっこうなストレスになります。例えば、そのようなアメリカの顧客のために弊社がアメリカで皆様の会社を代行してアメリカにおけますカスタマーサポートや営業開拓の窓口としましての業務を皆様に代わって務めさせていただくことができます。
また皆様がご希望であれば、すべて御社のお名前にてアメリカでのご商売を代行させていただきます。そのためにアメリカで会社設立をされるような必要はありませんし、人を御社から駐在させていただく必要もございません。もちろんオフィスを構える必要もありませんので、その意味ではやはり「バーチャル」という言葉を使うのはそれなりに理がかなったものと考えます。皆様の会社案内やホームページにもアメリカでの連絡先といたしまして、弊社の住所や電話番号(御社専用の電話番号を簡単に取得できます)を御社のアメリカオフィスとして掲載していただきましたら幸甚です。
アメリカでのカスタマーサポートや営業拡販の例は、あくまでもほんの一例に過ぎません。他にも市場調査、資材や部材の調達・発送、人材交流、トレーニング、技術・業務提携などさまざまな機能を持たせ応用することがきっと可能なのではないかと考えております。さらに現在弊社におきまして、2つの大変快適な個室が空いております。これらの個室は、日本からの皆様にアメリカでの短期・長期の出張時などのオフィスとしてご利用していただくことが可能です。個々の個室には、電話回線、高速インターネット回線がご用意され
ておりますので、ご自由にご使用いただけます。また共有のオフィス機器(コピー機、FAX、プリンターなど)も自由にご使用することが出来ます。
(弊社オフィスは、ポートランド国際空港から車で約30分、ポートランドのダウンタウンまで約15分の距離にあります。オフィスの周りは、木々と季節の花に囲まれた美しい自然環境とに恵まれています。)
長々とここまで書かせていただきましたが、これらバーチャルオフィス・サービスにご関心がございます日本企業のご担当者様がいらっしゃいましたら、私、酒井まで、ぜひとも一度ご連絡をいただけませんか。弊社が日本のお客様のアメリカにおけますビジネスに対しまして、必ずや費用対効果のきわめて高い、付加価値のあるサービスをご提供できますことを確信しております。
Ken Sakai
President
kenfsakai@pacificdreams.org |