ABOUT

会社沿革

パシフィック・ドリームス・インク (PDI) は、アメリカおよび日本企業に、迅速で精度の高い技術翻訳サービスを手頃な価格でお届けすることを目的に、酒井謙吉と酒井アイリーンによって1992年に設立されました。半導体業界およびITならびにソフトウェア業界で多くの業務経験を積み、翻訳業界では一定のポジションを築くことができました。会社設立以来、翻訳と同時に言語ソリューションおよび日米異文化コンサルティングにおける専門知識をもとに、PDIは単なる技術翻訳プロバイダーの枠組みを超え、様々なアプローチでお客様のビジネスにおける経営以上の支援をさせていただいてまいりました。たとえば、様々な異文化ビジネスコミュニケーションとマネージメントに関するセミナーの提供などです。またマーケティング戦略およびHR(人事管理)コンサルティング、行政調査や手続きサービス、半導体部品や材料の調達および輸出入業務などもカバーしております。各サービスについての詳しい内容につきましては、このサイトをご覧ください。質問やご依頼等がございましたらinfo@pacificdreams.org もしくはお電話 (503-783-1390) でお問い合わせください。

Pacific Dreams, Inc. はもともと翻訳会社であったわけですが、異文化コミュニケーションやHR(人事管理)コンサルティングに分野に向かわれたのはなぜですか?

会社設立以来、弊社は主に翻訳業務に従事していましたが、ほぼ同時に日米異文化コミュニケーションの分野でもセミナーやコンサルティングをアメリカならびに日系のクライアントに提供していました。ところが2008年に起こったリーマンショックで翻訳の需要が一時的ではありましたが激減し、弊社もひどい経営不振に陥りました。もともと翻訳業界は競争が激しく、参入障壁もきわめて低いという、いわゆる典型的な「レッドオーシャン」のマーケットでした。そこで、何か違うことを目指そうとしたときに、今まで行っていた異文化コンサルティング業務をベースにしてHR(人事管理)の分野に発展拡大させた次第です。この分野は、まさに「ブルーオーシャン」の領域でした。ただコンサルティングは設立以来行っていたので、特にまったく新しい業務分野というわけではありませんで、むしろ自然な流れではなかったかと思います。

アメリカでのビジネスの難しさは日本と比べるとどんな事ですか。

日本人がアメリカで会社経営をしていますので、どうしてもニッチ(隙間)的な業務になりがちで、マーケットもきわめて限定されています。必然的に会社を大きく発展させていくということ自体、マーケットが小さい中では非常にエネルギーのいることであるということを感じております。まあ、そういう意味では会社の規模ではなく中味で充実した仕事の達成度を誇れる会社にすることが重要だと考えています。また、人材の採用や育成は、多くの日系企業で直面している最も困難な課題なのではないでしょうか。優秀な社員を見つけ、採用し、そして正当な業績評価を行い、社員を長い間定着させるということが、日本に比べてアメリカにおきましては、はるかに難しいことであると申せます。

酒井さんが、 Pacific Dreamを設立された経緯について教えてください。

私が働いていた日系半導体製造メーカーのアメリカでの行く末は決して明るいものではないと予感していた(実際 2003年末にオレゴン工場閉鎖)のと、せっかくアメリカで働いているのだから、いつかは自分のビジネスを築き上げたいという気持ちをアメリカに来たとき(1987年)から抱いていましたので、妻とともに会社設立を決意しました。また当初から、私たち二人だけの会社にするつもりは毛頭なく、ビジネスを少しずつでも伸ばしながら、会社の発展を雇用という形で分かちあえるような組織にできたらと思っていました。また、語学と技術の両方に精通している人間というのは、当時も今もきわめて限定されておりましたので、私としては、技術翻訳業務を当初から弊社のコア・コンピタンス(中核事業)に選んでいたのは、正解であったものと思いますし、その後のコンサルティング業務へのよい橋渡しであり助走部分に繋がったものと感じています。

クライアントとして、また社員としてアメリカ人と上手く働く秘訣はどんな事ですか。

アメリカ人は、オープンで率直なコミュニケーションを望んでいますし、それが彼らのカルチャーであるかと思います。ですからフィードバックやフォローアップを頻繁に行ったり、会社や個人のゴール設定やビジョンというものを相手にプレゼンしたり、明確に伝えることはきわめて重要です。わからないことや知らないことがあれば、すぐに質問をしてみる、あるいは自分のちょっとした思いつきでも構わないからアイデアを言葉に出して言ってみるというのは、日本人はどちらかというと不得意なのですが、これはアメリカ人と一緒に働く上では、決して避けて通ってはいけないことだと思います。言葉によるコミュニケーションをしようとする意志がなんといってもアメリカ人と働く中での決定的な成功要因になるのではないでしょうか。英語の上手い、下手はあまり関係ないものです。

アメリカで働きたいと思っている方にアドバイスをお願い致します。

アメリカのよいところ、そうでないところ、日本のよいところ、そうでないところを理解して、アメリカでも日本でも通用するような、その道のプロとしての人材になることをぜひとも目指してほしいと思います。日本人の持っている謙虚さを捨てる必要もないですし、アグレッシブになる必要も全然ないです。アメリカで働くことがご自分のこれから長い将来にかけてのキャリアアップにつながることを考えてみてほしいと思います。最初から自分のしたい仕事にすぐに就けるというわけでもないでしょうし、長期的な視野とプランとを持って、好き嫌いは言わず、まずは与えられた仕事から挑戦し、経験してみていってください。そのためには、身近にアドバイスをしてくれるメンター(親身になって相談に乗ってくれる経験者)みたいな人がいるとよいですね。もしそのような人がいれば、ご自分から出かけて行って実際にお話をおうかがいしてみるということが重要なヒントやアイデアが生まれるきっかけ作りになるような気がします。